パエリアのレシピを見ると、たいてい「米は洗わない」と書かれています。日本では米を研ぐのが当たり前なので、「洗わなくて大丈夫?汚くない?」と不安になる人も多いはずです。
結論から言うと、パエリアの米は洗わないのが正解。これは衛生面の問題ではなく、おいしく仕上げるための大切な工程です。
この記事では、米を洗わない理由、洗ってしまったときの対処法、パエリアに合う米の種類、基本の作り方まで、わかりやすく解説します!
パエリアの米を洗わないのはなぜ?まず結論
まず結論からお伝えします。パエリアの米を洗わないのは、米にスープの旨味をしっかり吸わせ、パラッとした食感に仕上げるためです。
日本のごはんは「水で炊く」料理ですが、パエリアは「スープを吸わせる」料理。米を洗うと、スープを吸う前に水を吸ってしまい、味がぼやけてしまうのです。
また、ここでいう「洗わない米」とは、炊いていない生の米のこと。炊いたごはんではなく、乾いた生米をそのままスープでじっくり火を通して仕上げるのがパエリアです。無洗米である必要もなく、普通の白米を洗わずに使います。
パエリアの米を洗わない2つの理由
米を洗わない理由を、もう少し詳しく見ていきましょう。大きく分けて、理由は2つあります。
理由①:スープの旨味をしっかり吸わせるため
米は水に触れた瞬間から吸収を始めます。先に水を吸ってしまうと、魚介や野菜の旨味が溶け出たスープを吸う余裕がなくなり、頼りない味になってしまうのです。
理由②:パラパラした食感に仕上げるため
米を洗うと、表面のデンプンが溶け出して粘り気が出ます。これがべちゃっとした、お粥のような食感の原因。洗わずに使えば、表面のデンプンが残り、パエリアらしいパラッとした粒感に仕上がります。
さらに、このデンプンは加熱時にスープと絡み合い、旨味を吸着する役割も果たします。洗わないことが、コクと風味を引き出すカギになっているのです。
米を洗わないパエリアは不衛生じゃない?
「洗わないと汚いのでは?」「ぬか臭くない?」——日本人なら気になるところです。でも、衛生面の心配はほとんどいりません。
そもそも米を洗うのは「汚いから」ではなく、表面の米ぬかの臭みを抜くためです。脱穀されて袋詰めされた米は、もみ殻さえついていなければ基本的に不潔ではありません。
さらにパエリアは、ニンニクや濃いめのスープで炊くので、米ぬかの匂いはほとんど気にならないのもポイント。加熱調理もするため、安心して洗わずに使えます。日本で流通する米は精米技術が進み、品質管理もしっかりしています。
それでも気になる場合は、無洗米を使う、またはキッチンペーパーで表面を軽く拭く程度にとどめるのがおすすめです。
パエリアの米を洗ってしまったときの対処法
「レシピを見落として、つい洗ってしまった…」そんなときも、慌てなくて大丈夫です。対処法を知っておきましょう。
洗ってしまった場合の基本は、そのままレシピ通りに炊いてしまうこと。パエリアはもともと芯が少し残るくらい固めに仕上げる料理なので、固めの仕上がりを期待して作ればOKです。
洗ってしまったときの工夫
- そのままレシピ通りに炊く(固めに仕上がる前提で)
- 加える水分(スープ)を少し控えめにする
- 炊き上がりに味見し、芯が残れば、ふたをして加熱
ただし、水を減らしても、洗ったことで出た粘り気は完全には消えません。リゾット風や炊き込みご飯風にアレンジすれば、洗った米でもおいしく食べられます。次回からは、洗わずに作るのがいちばんの近道です。
パエリアに合う米の種類は?日本米でも作れる?
じつは、米を洗うかどうか以上に、仕上がりを左右するのが「米の種類」です。
本場スペインで使われるのは、バレンシア米やボンバ米といった品種。粒が大きく粘りが少なく、スープを吸っても崩れにくいのが特徴で、アルデンテの食感を保てます。輸入米のため高価なのが難点です。
一方、日本米(ジャポニカ米)は粒が小さくもっちりして粘りが強いため、そのまま使うとべちゃっとして雑炊のようになりがち。これが家庭でパエリアが失敗する大きな原因です。
日本米で作るときのコツ
- 大粒で粘りが少なく、煮崩れしにくい品種を選ぶ
- 米を軽く炒めて、油でコーティングし粘りを抑える
- 気になるなら無洗米を使う
本場では米を炒めませんが、日本米の粘りを抑えるために「炒める工程」を入れるのは、理にかなった工夫です。米の違いを知っておけば、日本米でも十分おいしく作れます。
米を洗わないパエリアの基本の作り方
洗わない米を使った、基本の作り方を押さえておきましょう。パエリア鍋がなくても、フライパンで十分おいしく作れます。
パエリアの基本の手順
- フライパンにオリーブオイルを熱し、ニンニクや玉ねぎを炒める
- 洗っていない生米を加える(日本米なら軽く炒める)
- 熱々のスープを注ぎ、サフランを加えて混ぜる
- 魚介や肉を上に並べ、ふたをせず中火で炊く
- 表面が乾いてきたら火を止め、少し蒸らす
ポイントは、深い鍋ではなく、平らなフライパンで炊くこと。深い鍋だと水分が対流せず、芯が残りやすくなります。
また、ふたをせずに炊いて水分を飛ばすことで、旨味が米にしみこみます。スープの量は米の種類や火加減で変わるので、まずはレシピ通りに作ってみるのが近道です。
パエリアの米がべちゃっと・芯が残るときの対策
パエリアでよくある失敗が、「べちゃっとする」「芯が残る」の2つ。原因を知れば、次回からぐっと失敗が減ります。
べちゃっとする場合
水分が多すぎるか、米を洗って粘りが出たのが原因です。蒸らす時間を長めにとって水分を飛ばすか、次回は水分を控えめにして洗わずに作ると改善します。
芯が残る場合
火の通りが足りないのが原因。味見をして芯が残っていたら、ふたをして弱火でもう少し加熱すると芯がなくなります。深い鍋を使っていると対流せず芯が残りやすいので、平らな鍋に変えるのも有効です。
パエリアは、とにかく何度か作って火加減や水分量の感覚をつかむのが、上達のいちばんのコツ。失敗も経験として、自分なりのおいしいパエリアを見つけてください。
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