子供の字は完璧ではなく可愛らしく良い部分もありますが「きれいに字を書く」ということは大切なこと。大人でも、字が読みにくい人は、それだけでちょっと損をしてしまうこともありますよね。だからこそ、子供のうちに字がきれいになる方法を教えてあげることは、一生の財産にもなると思うのでご紹介したいと思います。
①鉛筆の種類を子どもの筆圧にあった鉛筆にする
まず最初は子どもの筆圧に合った鉛筆を使うことが大切です。子供の書く字が細い、薄いと感じる方は、2B以上の鉛筆を基準にしてみましょう。逆に、字が太いと感じる場合はHBの鉛筆を選ぶのがおすすめ。未就学児だと筆圧が弱いので6Bを使ってもよいでしょう。
②鉛筆の正しい持ち方を意識する
次に、子供の鉛筆の持ち方が本当に正しいかどうかチェックしてみましょう。間違った持ち方で書き続けることで、字の上達が妨げられてしまいます。悪い癖がついてしまう前に、正しい持ち方をしっかりとマスターさせることが大切です。
・親指・人差し指・中指の3本の指で軽く持つ
・鉛筆は人差し指に沿わせる
・鉛筆の軸は紙に対して手前に60度、外側に20度傾ける
・鉛筆が前に倒れていないことを確認する
・親指や中指が前に出ていないことを確認する
鉛筆用の持ち方サポーターを活用してみるのも手です。
③姿勢を正して書く
きれいな姿勢で書くということは、スポーツで言えば、構え、フォームにあたる非常に重要な部分。猫背で文字を書いていると、肩や首にも余計な負担がかかってしまい、集中力も途切れやすくなってしまいます。
普段の生活の中でも、背筋をのばし、姿勢を正して座る習慣を子どもに教えると良いでしょう。古くより、「姿勢を正せば字が変わる」ともいわれています。
④正しい書き順で書く
正しい書き順通りに文字を書くことで、バランスがとれて整った字を書きやすくなります。また、書き順は学校の国語のテストなどでもしばしば出題されるので、正しく書いて覚えておいて損はないでしょう。
⑤一文字ずつ練習する
とにかく一文字一文字、ゆっくり丁寧に練習するのが重要。字が汚くなる一番の要因は、感覚だけで適当に書いてしまうこと。大人もメモを素早く取らなければならない時には、どうしても走り書きで字が雑になってしまいます。
字が綺麗になるまでの近道は、文字ごとの形の特徴をしっかり理解すること。そして大事なのは、丁寧な字で書けていたら、たくさん褒めること。時間をかけて文字を少しづつ書き続けることで、きれいな字が自然と書けるようになっていきます。
子どもが文字を書くことが嫌いになる教え方とその解決法
せっかく教えてあげたくてもやる気がなくなってしまったり嫌になっては意味がありません。ここでは、子供が文字を書く気がなくなってしまうかもしれない、やってはいけない教え方をご紹介いたします。
赤のペンで添削をする
まだ上手く書けない文字がある場合に、間違えてしまった箇所を赤ペンで添削して直してしまう…。赤ペンで細かく書きなおしても「こんなに間違えたんだ。今度は直されないように注意して書こう」と奮い立つ子どもはあまりいないそうです。多くの子供の場合、嫌な顔をしてそれ以降やる気を失くしてしまう可能性が高いのです。
【解決方法】
乱れた文字の中でも一番きれいに書けた文字を選び、○をしてあげること。間違っている文字にはあえて触れず、できている字をしっかり見て「上手にきれいに書けたね」と、その字の良さを具体的に言葉にして褒めてあげるのです。
消しゴムを使わせる
汚い文字を書いてしまったとき、「書き直しなさい!」と消しゴムで消させようとする人もいますよね。子どもが言う通りゴシゴシと消しゴムで消すと、あとが残って汚くなったり、紙が折れたりします。
そして消した後にその上から書くと、真っ白な紙の上に新しく書くのと違って楽しくないし、気持ちよく書けません。そして、字を書くのがますます嫌になってしまうのです。
また、消しゴムで文字を消させることで「あなたの文字は間違っていますよ。」と、書いたものを全否定しているように受け取られてしまうこともあるのです。
【解決方法】
もし書き直させたければ、新しいページや枠に書かせるようにしましょう。直前に書いた文字との比較もでき、「さっきよりもきれいな字が書けたな」と、自分で見比べて進歩に満足し、やる気が出ます。
点線の上をなぞらせる
点線の上をなぞるドリルがあります。しかも、薄いグレーの点線ではなくはっきりとした実線に近い点線です。下に書いてある手本とピッタリ一致させて書くこは、大人でもなかなか困難です。
また、なぞって書いた文字は綺麗であっても、下の手本とずれて二重に見えたりするので不格好な出来栄えになります。子どもはまだ手先が器用ではありませんから、手本からはみ出して書いてしまうでしょう。汚い文字が完成して、その結果やる気を失ってしまうこともあります。
【解決方法】
手本の上にトレーシングペーパーを敷いて書かせたり、手本の線が薄いグレーのものを選ぶことで緩和することができるようです。
飽きるまで書かせる
「量を書けば上手になるだろう」と考え、大量にやらせたくなりがちですが、子どもは退屈な文字書きの練習を飽きるほどやらされれば、すっかり文字を書くのを嫌いになってしまいます。
【解決方法】
もう少し書きたいなと思うくらいのタイミングでおしまいにすること。毎日練習する事で少しづつ上達するので、無理なく練習すると良いでしょう。
スピードを要求する
どんな文字でもいいから、たくさん早く書ければ良いという訳ではありません。早く書こうとすると汚い字が定着してしまう恐れがあるので、丁寧にゆっくり書いてきれいな字を身に着けさせるのが大切です。
【解決方法】
計算練習など時間制限を設けることも必要な科目もありますが、文字を書き始めたばかりの幼児に関しては“量より質”が肝心。5文字程度でもよいので、集中力が続く範囲で書けたらよしとしましょう。