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「落寸号令雷(ラッスンゴレライ)」「チョットマッテ号」の嘘。歌詞の意味や由来とフェイク画像へのリテラシーについて【8.6秒バズーカー】

こんばんは、この世界の教科書です。

今回は、今でもしばしばXなどのSNSで議論を巻き起こす、芸人8.6秒バズーカーのネタから広まった「落寸号令雷(ラッスンゴレライ)」「チョットマッテ号」という謎の言葉たちの由来について、です。

反日思想や第二次大戦、原子爆弾などの繊細な内容に関わるので、感情的になりやすく、真偽を突き詰める前にネット上で議論や炎上のタネとなりやすいため、慎重に考えて思考すべきこのテーマ。

フェイク画像やデマによりさまざまな誤解が生じやすいこの問題について、できるだけわかりやすくまとめていこうと思います。

8.6秒バズーカーと「ラッスンゴレライ(落寸号令雷)」とは?

まず、「8.6秒バズーカー」とは、はまやねん・田中シングルの2人組のお笑いコンビで、2015年前後にリズムネタの「ラッスンゴレライ」がSNS(動画・短尺投稿)やテレビで一気に広まりました。※「落寸号令雷」という当て字は本人たちは一度も使用していません。

リズムに乗せて早口で「ラッスンゴレライ ラッスンゴレライ 説明してね」「ちょっと待ってちょっと待ってお兄さん」などのフレーズが耳に残る、合いの手や言葉遊びで畳みかけるリズムネタは、テンポの良さで大人気に

しかし、2015年中ごろからネット上で「ラッスンゴレライは第二次世界大戦をネタにしている」「ちょっと待ってのフレーズはB-29のチョットマッテ号を意味する」などの噂が立ち、反日思想を持っていると非難されるようになりました。スポンサーやTV局にクレームが来るという理由で、オールドメディアではほぼ出禁状態に…。

ラッスンゴレライの由来とは?

なお「ラッスンゴレライ」は意味のない語感重視の造語らしいです。これは2014年以前の検索情報を調べられるツールで調べてみても、WEB上での検索履歴や表記履歴がないことから事実でしょう。ネタ作りで悩んでいる最中に思い浮かんだノリのいいワードがたまたま「ラッスンゴレライ」だった、ということのようです。

小島よしおさんの「おっぱっぴー」も、特に深い意味はなく語感だけで考えたらしいですが、いつの間にか「Ocean Pacific Peace(オーシャン・パシフィック・ピース:太平洋に平和を)」が由来と言われるようになったこともありました。よくわからない言葉のネタには由来を考えてしまう人や、勝手に憶測してしまう人が多いのかもしれません

なお、コンビ名は学生時代の短距離走タイム(8.6秒)に由来するらしいです(本人談)。正直このあたりは後出しでなんとでも言えるため、あまり参考にはなりませんが…。

8.6秒バズーカーは本当に反日芸人?真相は…

結論から言うと、8.6秒バズーカーが「反日」だと断定できる決定的な根拠はありません。いわゆる反日疑惑は、2015年ごろにネットで広まった憶測が大きく、コンビ名「8.6」を「8月6日(広島)」に結びつけたり、「ラッスンゴレライ」に暗号的な意味があると解釈する投稿が拡散したのが発端。こうした噂が記事化&拡散され、炎上として扱われた経緯があります。

本人たちは当時から事実無根として否定していて、コンビ名の「8.6秒」は「はまやねんの50m走のタイム」が由来、ネタも深い意味を込めたものではない、と説明。その後も、はまやねんがSNSで改めてデマを否定し、過去の軽率な政治っぽい投稿が誤解を招いた点は謝罪しつつ、噂そのものは否定しています。

ただし、噂そのものを否定しきる根拠もありません。ツイッターでの政治的投稿や「8.6」の由来に対する明確な証拠がないことなど、正直なところどこまでもグレーゾーンです。火のないところに煙は立たぬ、臭いものには蓋。現代社会では、100%足る証拠を持っていない状況では非難がなくなることはないのでしょう。

反日思想をむやみに攻撃する人へ

そもそも「反日には非難や攻撃をしていい」という考え方は、気に留めるべきかとは思います。反日思想の人に対して攻撃しても、何もお互いにとって良いことはありません。相手はもっと日本を嫌いになるだけですし、こちらも冷静さを欠いて怒りがエスカレートしていくだけです。

相手目線で考えてみる

現在日本ではSNSなどでも中国嫌いが少なからず見受けられますが、反中思想でも同じこと

仮に自分が、中国にネガティブなイメージを抱いていたとして、とある中国人に出会ったとします。その人から

あなた中国嫌いなの?じゃあ関わりたくない、私もあなたのことが大嫌いです。

と拒絶されるより、

そっか、中国のこと嫌いなんだね。私は自国のことだから好きなんだけど、ポリシーとか考え方の違いもあるから、中国への感じ方や捉え方が違うのだと理解できます。ただ、人と人は文化交流など、さまざまな関わり方ができますから、分かり合えると嬉しいです。

というように、多少の文化や教育、ポリシーの差を受け入れたうえで、それでも攻撃しないで接してくれたほうが、好感度上がりますよね?こういう中国人もいるんだと思えたり、嫌悪感が薄まるかもしれません。これを、反日思想の人相手でも可能であればやるべきでしょう。

別に、すべて受け入れる必要はないのです。すべてを拒絶することで、お互いへの憎しみや怒り募っていく方がもったいないことだと思います

実際、今の中国共産党をよく思っていない中国人もたくさんいます。そういう人まで「中国人だ」という理由で非難してわざわざ敵に回したり、無用な争いを生むのは、日本人の評価を下げてしまう行為だと思います。

8.6秒バズーカーに明確に問題があるとするならば、「大多数の人間に嫌悪感を抱かせ得る、原爆を彷彿とさせるネーミングやネタを、公の放送で公開する」のが問題なのです。「反日が悪」と切り捨てるのではなく、一つ一つの事象に切り分けて考えるべきかと思います。(この点から言えば、TVに出られないこと自体は仕方がないことかと思います。「8.6秒」の名づけ時点で国民感情を逆撫ですることは自明です)

ラッスンゴレライ「落寸号令雷」という当て字の捏造

ここまで8.6秒バズーカーが反日なのか?という視点で記述してきましたが、今回はそこは正直どちらでもいいというか、反日だから嫌いというわけでもないですし、まるまる省いてもよかったような話です。

本題は、「落寸号令雷」という当て字を誰かが作り、フェイク画像を作って流布&SNSによって拡散した という事象について。

↑ ※左がフェイク画像

元のツイート投稿は消えており誰がこの画像を作ったのかはわかりませんが、1995年8月6日発行のヒロシマ新聞の一面を加工し、「落寸号令雷」があたかも存在した原爆を意味する言葉であったかのように、SNSや掲示板で流布&拡散した人間がいるのです。

  • ・フォントや文字サイズを合わせる(若干フォントもサイズも違いますが)
  • ・原爆の画像も合成して感情をあおろうとする
  • ・明度や解像度までこだわる

明確な敵意か、注目を浴びたくて面白半分なのか、これだけの手間がかけられており、多くの人が騙されてしまったようです。

前述にも書いた通り、2014年以前の検索情報を調べられるツールで調べてみても、「落寸号令雷」というワードがWEB上での検索履歴や表記履歴がないことからも、これが嘘の画像であり、「落寸号令雷という漢字が「ラッスンゴレライ」を非難するために作られた当て字であることは間違いないでしょう。

「落寸号令雷」以外のフェイク画像や嘘

↑※フェイク画像

ラッスンゴレライ「落寸号令雷」以外のフェイク画像として、上の「LAST SUN GO RELAY」と書かれたB-29の画像もネット上にはあります。

これも悪意なのか、興味本位なのかはわかりませんが、ハイライトを調整して色味を合わせるなどして意図的に作られているフェイク画像です。

斜め前から円筒状の文字を撮影しているのだからもう少し字が湾曲するはずだし、字の解像度が荒くTの上の部分などにドットの粗があるためわかりやすいですが、この程度ならもっときれいにフェイク画像を仕上げることは今の時代簡単です。

これが明確にフェイク画像とわかるのは、上のような画像上の疑わしさに加え、

  • 2014年以前の検索が引っかからない
  • 米国のサイトなどのソースが一つも存在しない

など、不可逆でほぼ間違いないという確証に足る事実が多数認められることから、フェイク画像と断言できるのです。

「チョットマッテ号」の存在は嘘?「ちょっと待って」の歌詞の意味

おまけ程度ですが、「チョットマッテ号」の存在にも触れておきましょう。

「ちょっと待ってちょっと待ってお兄さん ラッスンゴレライってなんですの」というネタ中の歌詞にある「ちょっと待って」が、B-29「チョットマッテ号」を意味するという噂について。

そもそも、「チョットマッテ号」というのは正式名称ではありません。当時大量に作られていた戦略爆撃機B-29の一個体の通称です。正式名は、「B-29-55-MO 機体番号:44-86400」となります。

ただ、この画像自体は嘘でもフェイク画像でもなく、画像検索しても米国のサイトがヒットするなど、実在した機体です。いわゆるノーズ・アートというもので、機体の先端(Nose)に、当時手元に娯楽がなかった軍人たちが、漫画やセクシーな美女などの気分転換できるアートを描いていたのです。

44-86400は3つのノーズ・アートが記録されており、どのタイミングで描かれたものはわかりません。(塗装が剥げるなどして、当時は何度かノーズ・アートが更新されることも多かった)これらはフェイク画像ではありません。

こちらのサイトにB-29のノーズ・アートがまとめられているので参考までに。
https://b29s.thekwe.org/b29sinthekoreanwar/0-b29MasterList.htm

広島に原爆投下したB-29のエノラ・ゲイ(44-86292)が兄機体と言えることから、「ちょっと待ってちょっと待ってお兄さん」の歌詞の意味合いを勘ぐりたくなる気持ちは非常によくわかります。

ただ、これだけ状況証拠が揃っていたとしても、事実はわかりません。確証バイアス(自分の信じる仮説を裏付ける情報ばかりを集め、反証する情報を無視してしまう人間心理)などもあるため、決めつけるのはよくありません。

どこまでいってもグレーゾーン。私は彼らが反日芸人かどうかはどうでもよく、100%起きた事実として、「フェイク画像が意図的に作られ、拡散されて多くの人を騙した」という事柄に対してこそ警鐘を鳴らすべきなのです。

嘘は嘘であると見抜ける人でないと難しい世界

ひろゆきさんの言葉を引用してしまいましたが、SNSやAIなどが流行り、嘘は嘘であると見抜ける人でないと難しい世界になってきました。

SNSの怖さは、気軽に見たいのに、気軽に判断したらよくない「嘘」が頻繁に混ざっていること。さらに人は、いったん怒ったり不安になったりすると、その感情に合う情報だけを集めがちです。結果、検証や調査より拡散が先に走り、誰かを断罪する材料だけが増えていくのです。

だからこそ、最低限の「嘘の見抜き方」は持っておくべきでしょう。

  1. 一次情報に当たる(本人発言・公式記録・原文)
  2. 複数ソースで照合する(同じ主張が別経路でも成り立つか)
  3. 画像は逆検索して出どころと初出日時を見る
  4. 「いつ・誰が・何の目的で」出した情報かを確認する

そして一番大事なのは、まずは冷静になり、SNSで回ってくるものの真偽はそもそも不明であるという前提で情報を見ること。判断がつかないなら拡散しないこと。真偽が曖昧なまま広める行為は、嘘を拡張し、悪意ある人間の手伝いをする行為です。

疑う力は、他人を攻撃するためじゃなく、自分の思考と感情を守るためのもの。嘘に踊らされない距離感こそ、これからのネットの必須スキルだと言えるでしょう。

ABOUT ME
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より多くの人が幸せに生きるために、この社会・世界で起きているすべてのことをより正しく理解し、どう考えればよいのか?を細かく掘り下げて文章にまとめていきます。また、私は人を傷つけたくありません。皆が視野を広く、嘘によって傷つけられることなく、人に優しく、あらゆるできごとの複雑な背景を読み取れるようになることを祈って。

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