「ストックホルム症候群」という言葉は映画やドラマで耳にしたことがある方も多いでしょう。では「リマ症候群」はご存じですか?どちらも人質事件などから生まれた心理学用語ですが、その方向性はまったく逆です。
この記事では、リマ症候群とストックホルム症候群の違い、それぞれの原因・事例、そして背景にある人間心理をわかりやすく解説します!人の心の不思議さと複雑さを、一緒に考えていきましょう。
リマ症候群・ストックホルム症候群とは?まず違いを一言で整理
ふたつの症候群の違いを、まず一言でまとめます。
| 症候群名 | 誰が誰に感情移入するか |
|---|---|
| ストックホルム症候群 | 被害者(人質)が加害者(犯人)に共感・好意を抱く |
| リマ症候群 | 加害者(犯人)が被害者(人質)に共感・好意を抱く |
感情移入の方向がまったく逆というのが、最大のポイントです。どちらも極限状態の中で生まれる、人間の心理的な適応反応として理解されています。病気や異常ではなく、ある意味で「人間らしさ」の表れともいえます。
ストックホルム症候群とは何か?リマ症候群との違いを理解する前提知識
ストックホルム症候群とは、人質や監禁被害者が、加害者に対して好意・共感・信頼を抱くようになる心理現象です。1973年にスウェーデンの首都ストックホルムで起きた銀行強盗立てこもり事件が名前の由来です。
この事件では、6日間にわたり人質にされた被害者たちが、解放後に犯人をかばい、捜査に協力しなかったことが世界的に注目されました。精神科医のニルス・ベイエロットがこの現象を分析し「ストックホルム症候群」と命名しました。
なぜ被害者が加害者に共感するのか
極度の恐怖・孤立・依存状態が長く続くと、人間の心は「この人物に好意的に接することで生き延びられる」と無意識に判断し、加害者への共感を形成します。これは意志の弱さではなく、生存本能に基づく心理的防衛反応です。
引用:FBI Law Enforcement Bulletin / Bejerot, N. (1974)
リマ症候群とは何か?ストックホルム症候群との根本的な違いを解説
リマ症候群とは、加害者側(犯人・誘拐者など)が被害者に対して共感や罪悪感を抱き、危害を加えられなくなる心理現象です。1996年にペルーの首都リマで起きた日本大使公邸占拠事件が名前の由来です。
この事件では、武装グループが数百人を人質にとりましたが、時間が経つにつれ犯人グループが人質に対して人間的な感情を抱くようになり、次第に多くの人質を自発的に解放していきました。
リマ症候群が起きる条件
リマ症候群は、加害者が被害者と長期間にわたって人間的な交流を持つ中で生じやすいとされています。「顔が見える関係」「言葉を交わす関係」になることで、相手への共感が生まれるのです。これは逆に言えば、人間には本来、他者を傷つけることへの抵抗感が備わっていることを示しています。
引用:Namnyak, M. et al. (2008). “‘Stockholm syndrome’: psychiatric diagnosis or urban myth?” Acta Psychiatrica Scandinavica.
リマ症候群とストックホルム症候群、それぞれの実際の事例
それぞれの症候群を象徴する代表的な事例を見てみましょう。
ストックホルム症候群の事例:1973年ストックホルム銀行強盗事件
スウェーデンのノルマルム広場強盗事件では、人質となった女性が犯人の一人に強い愛着を持ち、後に婚約したとも伝えられています。解放後、人質たちは犯人の弁護のために募金活動まで行いました。加害・被害の関係を超えた感情的な絆が形成された典型例です。
リマ症候群の事例:1996年ペルー日本大使公邸占拠事件
トゥパク・アマル革命運動(MRTA)のメンバーが約500人を人質にとったこの事件では、犯人グループが人質と日常的に会話や食事を共にするうちに情が移り、女性・高齢者・病人を中心に自発的に多くの人質を解放しました。人間同士の交流が、暴力の意志を和らげた事例として心理学的にも注目されています。
リマ症候群とストックホルム症候群が生まれる心理的メカニズムの違い
ふたつの症候群は「なぜ」生まれるのか、心理的なメカニズムを整理します。
ストックホルム症候群のメカニズム
- 極度の恐怖・孤立状態が続く
- 加害者から小さな「親切」を受ける(食事を与える、暴力を振るわないなど)
- その親切を「命の恩人」と感じ、感謝・共感が生まれる
- 外部(警察・救助者)を「敵」と感じるようになる場合も
リマ症候群のメカニズム
- 加害者が被害者と長期間・近距離で接触する
- 被害者の人間性(名前・家族・感情)が加害者に伝わる
- 「この人を傷つけたくない」という共感・罪悪感が芽生える
- 攻撃性が低下し、自発的に保護行動をとるようになる
どちらの症候群も、人間が「相手を人間として認識する」ことで生じる現象です。そこには、人類が本来もつ共感能力の深さが反映されています。
リマ症候群・ストックホルム症候群という概念が私たちに教えてくれること

これらの症候群は、単なる「特殊な状況下での異常心理」ではなく、人間の共感能力と適応力の表れとして理解することができます。
ストックホルム症候群は、DVや虐待の関係にも応用されて研究されています。被害者が加害者から離れられない心理的背景を理解するうえで、重要な概念となっています。「なぜ逃げないのか」という外部からの無理解を解くカギにもなります。
リマ症候群は、「対話がいかに暴力を和らげるか」を示す事例として、紛争解決や交渉術の分野でも参照されます。顔の見えるコミュニケーションが、敵意を人間的な感情へと変える力を持つことは、国際関係や日常の人間関係にも示唆を与えます。
リマ症候群とストックホルム症候群の違いを知ることが、人間理解を深める理由
ふたつの症候群の違いを知ることは、「人間とはどういう生き物か」を考えるきっかけになります。私たちは、極限状態に置かれても、相手に共感し、関係を築こうとする生き物です。
それは時に「おかしな行動」に見えることもあります。しかし、その根っこにあるのは、人間が持つ根源的なつながりへの欲求と、共感する力です。加害者も被害者も、その力から完全に切り離されることはありません。
誰かを一方的に「悪」「弱い」と断じるのではなく、その心理的背景を理解しようとすること——それこそが、より良い社会をつくるための第一歩だと、この二つの症候群は教えてくれています。
Hulu × Disney+ の圧倒的作品数!

Huluとディズニープラスのセットプランが誕生。国内の人気作品、話題の映画や豊富な海外ドラマが、月額1,690円でお得に見放題。Huluとディズニープラスのセットプランなら、最大550円以上お得に!
■ディズニープラス作品:美女と野獣、アナ雪、アラジン、トイ・ストーリー、ハイスクールミュージカル等【Disney&ピクサー作品】、アベンジャーズ、アイアンマン、スパイダーマン、ファンタスティック4等【マーベル作品】、スターウォーズシリーズ、ナショナル ジオグラフィックシリーズ… など
■Hulu 作品:呪術廻戦、名探偵コナン、推しの子、銀魂、映画ドラえもん等【アニメ作品】、世界の果てまでイッテQ、ガキの使いやあらへんで、月曜から夜更かし、ニノさん等【大人気バラエティ】、ハリーポッター、ジュラシックパーク、エイリアン、ワイスピ、ショーシャンク、インターステラー等【名作洋画】、各種国内&海外ドラマ… など
