『League of Legends(リーグオブレジェンド)』において、ラストヒット=CS(Creep Score)はゲームの勝敗に関わる非常に重要な要素。
試合中にCS(ファーム)を丁寧にとり続けることが、ゲームを決定的にするファイト場面でのゴールド差・アイテム差につながり、勝利へとつながることもあるのです。
今回は、そんな League of Legends における 分間CSの目安、10分や25分時点の最大CS数(理論値) などについて、トッププロ選手やKRチャレンジャー帯などの統計を参考に解説していきます!
CSとは?

CSは、Creep Score(クリープスコア)の略です。CSをとると、ゴールドや経験値を得ることができます。
基本的には、試合時間1:05以降、30秒ごとに召喚されレーンにウェーブ単位で押し寄せてくる「ミニオン」や、「ジャングルクリープ(中立モンスター)」「ワード」「敵チャンピオンのペット」などのラストヒット(LH)をとることでCSは溜まっていきます。
JGとSUP以外の各レーナーは、主にミニオンのラストヒットをとることでCSを増やしていくことができます。
ラストヒット(LH)とは?

CSをとる際に、最も重要なのが「ラストヒット(LH)」です。ラストヒットとは、文字通り最後のダメージを与えること=トドメを刺すことを意味します。
ミニオンのCSを獲得する際には、自分で意識してラストヒットを狙う必要があるのです。JGモンスター等と違い、ラストヒットを狙う意識をしないと、味方ミニオンや味方タワーが敵ミニオンを倒してしまう、という点です。
ミニオンのHPバーをしっかり確認し、体力がミリになった瞬間にタイミングよくAAやスキルを打つことで、ラストヒット=CSをとることができます。
(試しに、何も考えずに適当にAAやスキルを制限なく打ち続けてみてください。ミニオンはタワーや自陣ミニオンに倒され、CSは半分も取れないでしょう)
分間CSの目安&計算法
では、ここからが本題。「分間CS」という言葉をLoLでよく聞くかと思いますが、これは「試合時間に対してどれだけのCSをとれているか」を表す用語です。

たとえば、上画像の LCK – T1 vs GEN の試合では、試合時間10:00の段階で、各レーナーのCSは以下の通りです。(SUPは割愛)
- TOP:T1 Doran – 83 CS / GEN Kiin – 82 CS
- JG:T1 Oner – 72 CS / GEN Canyon – 81 CS
- MID:T1 Faker – 87 CS / GEN Chovy – 98 CS
- ADC:T1 Gumayusi – 72 CS / GEN Ruler – 101 CS
韓国のトッププロ選手なだけあって相当なCS平均値です。彼らのCSを分間CSで計算するには、単純に 10分までのCS数÷10 すれば値が出ます。
最もCSが多いGen.G Ruler選手の10分で101CSであれば、分間 10.1CS。T1 Doran選手であれば、10分83CSなので、分間 8.3CSということになります。
よく言われる「10分100CS」の壁
10分段階でCSが100に及んでいる際に、実況解説やミラー配信でも「10分100CSがすごい」「分間10CS」など話題に出ることもありますが、2-2でキル試合でないにもかかわらず10分100CSに及んでいるのがRuler選手だけと思うと、トッププロ選手であっても10分100CSの壁はなかなかに厚いということが分かります。
ただ、プロの試合とノーマルやソロキューは別物。ガンクやローム、タワーダイブなどの警戒レベルもそこまで高くないですし、レーンスワップもなければ、相手がそこまで上手いプレイヤーとも限らないので、10分100CSを目指すことも不可能ではありません。
CSに集中しやすいADCや、遠距離からキルラインを回避しつつCSをとりやすいMIDレーナーは比較的この10分100CSを目指しやすいでしょう。
10分100CS と 分間10CS は少し違う
ちなみに、10分100CSの難易度と、分間10CSの難易度は少し違います。
最序盤、1:05に最初のミニオンウェーブが出現してからレーンに到達するまでが約30秒あり、最初にウェーブ同志がぶつかるMID(TOPとBOTはウェーブがぶつかるまでがMIDより10秒遅い)でミニオンに触れられるのは1:30からとなります。
つまり、実質は8分30秒間の間で100CSとっていることになり、試合時間が進んでからの100CSより、試合時間10:00時点での100CSの方が難しいのです。
実際に、10分時点で100CSはプロでも難しい基準ですが、25分時点での250CSは10分100CSよりは多く見かけることがあるでしょう。(CSに集中しやすいレーン戦が終わり集団戦が増えるので、それでも全然すごいですが)
25分以降は逆に分間CSが下がる
プロの試合やKRチャレンジャー帯などでは特に、バロンが出現する25分以降は、バロンや4ドラ、エルダードラゴンなどの重要なオブジェクトにまつわるマクロが最優先になってくるため、分間CSはそれ以降落ちていきます。
逆に言えば、この25分以降の重要な集団戦のために、これまでCSやキルでゴールド有利を作っているといっても過言ではないでしょう。この時間までのために、各レーナーはできる限りファームするのです。
目指すべきCSの目安
初心者~高レート全員に共通して言えるとするならば、TOP・MID・ADCの全レーナーはとりあえず、10分100CS を目標にすれば良いと思います。
ただ、対人戦であるソロキューやノーマルで目指すのは非常に困難であり、高レートになればなるほどCSの難易度は増します。(10分100CSが余裕だという人はおそらく低レートです)
実際のところ、KRチャレンジャー帯のソロキュー試合を数多く見ていても、10分100CSに到達しているプレイヤーはほとんど存在しません。高レートになればなるほどCSよりも、ファイトへの寄りや、オブジェクト意識の方が重要ということが分かります。
ちなみに、ここ3か月のランダムなKRチャレ100試合の統計をとって、TOP/MID/ADCの平均CSは 74.9CS、10分100CSに到達していたのは2名だけでした。
つまり、10分 75CS (25分平均は190CS)を目指せば実質KRチャレンジャー級。100CSのハードルが高いという人はとりあえず75CSを目指しましょう。(対人戦の目安であり、AI戦やプラクティスなどはまた別です)
ロール別の分間CS(ファーム)の目安
また、CSの目安といっても、各ロールごとに目安となる基準値は違います。
ここでは、10分段階・25分段階でのCSの目安について、ソロキューの頂点と呼べるKRチャレンジャー帯のCS平均値を基準に考えてみます。
(厳密にいえばチャンピオンや対面とのマッチアップ、構成や試合展開によっても実際に獲得可能なCSは変動するため、試合に勝利するためにはCSをとることだけを目標にしてはいけないことを念頭に置いたうえで目安にしましょう)
TOP:CSの目安

KRチャレンジャー帯のTOPレーナーのCS平均値は、10分 70.1CS、25分 175.3CS。これをもとに目安を作るとすれば、以下のようになります。
試合時間 | CSの目安 |
10:00 | 70 CS(分間:7 CS) |
25:00 | 175 CS(分間:7 CS) |
TOPレーナーは、とにかくファームよりもファイト!おそらくほとんどのTOPレーナーは、ファームよりファイトが好きでTOPという陸の孤島に来ています。全レート通して見てもCSの平均値は低く、そこまでCSに固執する必要はない気がします。
真面目に解説するなら、CSを取れたほうが良いのは当然です。ただ、CSが他レーンより劣りやすい原因としていくつか理由が挙げられます。
- ・CSをとりやすい遠距離スキルを持たない、ファイターやタンクなどのレンジが短いキャラが多い
- ・タンクやファイターは低火力~中火力の範囲攻撃スキルが多く、ミニオンが中途半端なHPになりやすいためCSが難しい
- ・TOPはレーンが長く、ガンク警戒やレーンフリーズなどにより落とさざるを得ないCSがある
- ・格付けされた対面に無限ウェーブフリーズされたらCSは一生食べられない
日本のマスター~チャレンジャー帯のTOPレーナーは、むしろこれより25分時点の平均CSが10CS以上多いため(25分187.1CS)、もしかすると若干ファイトへの関与、自分主導のマクロが足りていないのかもしれません。
MID:CSの目安

KRチャレンジャー帯のMIDレーナーのCS平均値は、10分 80.0CS、25分 195.9CS。これをもとに目安を作るとすれば、以下のようになります。
試合時間 | CSの目安 |
10:00 | 80 CS(分間:8 CS) |
25:00 | 195 CS(分間:7.8 CS) |
MIDは、レーン戦フェーズにおいてもサイドに出た後も、安定してファームがしやすいレーナーといえます。理由はいくつかあります。
- ・CSをとりやすい遠距離スキルを持つチャンピオンが多い
- ・基本的に火力アイテムを積むことが多く、高火力の範囲スキルで一気にウェーブクリアができる
- ・レーンが短く、ダイブやレーンフリーズなどが起きづらいため、落とさざるを得ないCSが少ない
日本のマスター~チャレンジャー帯のMIDレーナーは、25分時点の平均CSが10CS少ないため(25分184.3CS)、サイドレーンのウェーブ管理不足などの問題があるのかもしれません。(TOPにその分とられてる?)
【参考】世界最強MIDレーナーChovy選手のソロキューの特徴
レーン戦フェーズ
- ・味方のファイトにはすぐ寄る
- ・基本的には、1v1で対面のキルを狙ったりファーム差をつける動き
- ・可能な限りタワー下に押し込んでからリコール
- ・極力すべてのレーンでタワーに押し込まれるウェーブをカバーする
- ・ヴォイド前(5:30)、ドラゴン前などにはできればリコールしてアイテムを買う
サイドレーンにスワップした後
- ・味方のファイトにはすぐ寄る
- ・マップを見て安全そうであれば、すぐにサイドのウェーブクリア
- ・対面のキルを狙う
- ・マップを見つつタワーへプレッシャー&破壊する、敵のJGを盗む
- ・サイドを先に押し込むことで、MIDのADCをはさみ込む形でキルを狙う
- ・ウェーブがタワーに押し込まれそうな時はどのレーンでもカバーする。タワー下に押し込まれるウェーブに対してTPを惜しまない
- ・中盤以降、タワー下にウェーブが到達していない限りはリコールの度にMID付近を経由してからサイドへ出る(対面のターン警戒)
- ・サイドウェーブが押し込まれるまでの自由時間でMIDアクション、オブジェクトをねらう
- ・リバーより先に進んでいる味方がいたらとりあえず寄る
ADC:CSの目安

KRチャレンジャー帯のADCのCS平均値は、10分 74.5CS、25分 200.3CS。これをもとに目安を作るとすれば、以下のようになります。
試合時間 | CSの目安 |
10:00 | 75 CS(分間:7.5 CS) |
25:00 | 200 CS(分間:8 CS) |
ADCは実は、レーン戦ではMIDレーナーよりファームがしづらいです。というのも、「敵JG込みのタワーダイブ」「ウェーブ知識がないSUPによるネグレクト」などにより、常に自分一人ではどうにもならない脅威にさらされているからです。
また、強力な範囲攻撃スキルがないためAAですべて取るのが少し難しいという難点もあります。ただ、AAの射程は長いのと、攻撃力は上がっていくためTOPほど取りづらくはないでしょう。
MIDレーンにスワップした後ではファームがしやすくなります。SUPはとJGが基本的にMID付近にいるようになり、比較的安全にウェーブを触ることができるようになるからです。
また、SUPやJGの赤トリによって現れたワードを破壊したり、忙しいJGに代わってラプターやウルフをつまみ食いすればCSをぐんぐん伸ばせるでしょう。
日本のマスター~チャレンジャー帯のADCも、ほぼ同じ平均CS(25分198.0CS)です。
JG:CSの目安

KRチャレンジャー帯のJGのCS平均値は、10分 67.0CS、25分 165.4CS。これをもとに目安を作るとすれば、以下のようになります。
試合時間 | CSの目安 |
10:00 | 70 CS(分間:7 CS) |
25:00 | 165 CS(分間:6.6 CS) |
JGは、レーナーのようにミニオンでファームするわけではないので、最大CSの理論値もそもそも違います。レーナーと比較するのは若干微妙ですが、参考までに。
日本のマスター~チャレンジャー帯のJGは、むしろこれより平均CSが10CS程度多いため(25分173.4CS)、もしかすると若干ファイトへの関与、自分主導のマクロが足りていないのかもしれません。リージョンによるチャンピオンの偏りが原因の可能性もあります。
レート別のCS・ファームの特徴
また、さまざまなレートのCS値やファームの様子を見ていて、以下のような特徴があったのでまとめました。
(あくまでランダムに抽出した10~20試合ずつを見ての個人的見解なので、おそらく環境や見る人によっても意見は変わるかと思います、一個人の感想として参考程度に)
アイアン帯・ブロンズ帯
まだLoLやMOBAというゲームに慣れていない人、マクロの知識が足りていない人が多いだけで、思っているよりも操作は上手な人が多い気がします。
シルゴル帯の人よりCSが上手な人も存在します。ただ、PINGを用いたマクロコールが少なく、オブジェクト意識が低いので、なんとなくの集団戦が起きがち。ランダムファイトでサイドのCSをどんどん失っていくので、14分以降のCSの伸びが悪い試合が多かったように思います。
ファームやCS以前の問題でもあり、逆に、とにかくファーム効率を得意になるだけでも勝率を上げられるかもしれません。
シルバー・ゴールド帯
CSやキャラ操作は慣れてきているものの、対面とのマッチアップの特性を理解しておらず、レーン戦ではただウェーブクリアをしているだけの状況が多い印象です。
マッチアップに応じた適切なレーンプレッシャーをかけておらずファイトへの寄りも若干遅いため、ファーム合戦。CS数だけでいうならすでに上記で挙げたKRチャレンジャー平均に達している人も普通にいます。
CS自体は慣れてきているので、ベイガー、スモルダー、ケイル、ナサスなどのその時メタに上がってきているレイトキャリーでファームしていれば強そうです。
プラチナ ~ ダイヤ下位帯
プラチナ~エメラルドくらいのレートになってくると、徐々にチャンピオンに応じたレーンプレッシャーをかけられる人が増えてくる印象です。
シルゴル帯と一緒でレーンのCSは良いのですが、オブジェクトにつながらないランダムファイトや必要のないカバーが若干多いのと、逆サイドのアクション意識などが高レート帯と比べると少ないような気がします。
10分までの最大CS数(理論値)は?

では、試合時間10分までの間に獲得できる一つのレーンでのCSの最大理論値はどのくらいなのでしょうか?計算してみます。
まず、1:05で最初のミニオンウェーブが出現し、10:00段階でファーストタワーが折れていない場合にプッシュできる最後のウェーブは、9:05のウェーブになります。(9:35のウェーブはレーンに到達した瞬間に10分になるので、基本的には触れないケースが多いです)
この1:05から9:05までの間で出現するウェーブは全部で 17ウェーブ。うち、5つのウェーブにキャノンミニオンが含まれているため、17×6+5=最大107CS となります。
対面がいなくて敵のタワー下まで遠距離のウェーブクリアができる状況だったり、タワーを先に破壊してプッシュできる状況だった場合に限り、113CS が最大CS数となります。
この他に、他レーンのカバーで得られたCSや、JGクリープ、ワード破壊などでもCSが増えるので限界の値ではありませんが、基本的にはこの 107CS が最大CS数(理論値)となります。
5分/20分/25分までの最大CS数(理論値)
ちなみに、5分までの最大CS数を同様に計算すると、1:05から4:05までの7ウェーブで 最大44CS です。
20分までの最大CS数は、ファーストタワーが折れている可能性も高いため、1:05から19:35までの38ウェーブと仮定して、最大242CS。
25分までの最大CS数もファーストタワーが折れていると仮定し、1:05から24:35までの48ウェーブで、最大307CS となります。
分間CSを上げたい人へ
別記事で、CSをとるコツ、取れない人向けの練習法などについてもまとめているので、参考にしてみてください。
まとめ
以上、League of Legends の 分間CSの目安、10分や25分時点の最大CS数(理論値)などに関するまとめでした!