『League of Legends(リーグオブレジェンド)』において、ラストヒット=CS(Creep Score)はゲームの勝敗に関わる非常に重要な要素。
試合中にCSを丁寧にとり続けることで、ゲームを決定的にするファイト場面でのゴールド差・アイテム差へとつなげ、勝利へと導くことができるのです。
今回は、そんな League of Legends における1CSのゴールド平均値、キル換算値を計算してみました。
CSとは?

CSは、Creep Score(クリープスコア)の略です。CSをとると、ゴールドと経験値を得ることができます。
基本的には、試合時間1:05以降、30秒ごとに召喚されレーンにウェーブ単位で押し寄せてくる「ミニオン」や、「ジャングルクリープ(中立モンスター)」「ワード」「敵チャンピオンのペット」などのラストヒット(LH)をとることでCSは溜まっていきます。
JGとSUP以外の各レーナーは、主にミニオンのラストヒットをとることでCSを増やしていくことができます。
また「ミニオン」の場合、ラストヒットをミスしてCSを逃しても、一定のレンジにいることで経験値は獲得することができます。
しかし、エピックモンスターを除く「中立モンスター」からのゴールドと経験値を得られるのは、ラストヒットを取ったチャンピオンのみです。(※味方チャンピオンがどの程度ゴールドや経験値が得られるかは、エピックモンスターごとに異なる)
【LoL豆知識】なぜ「Creep Score」と呼ばれる?クリープではなくミニオンなのに…
この「CS」という用語は、もともとは 「WarcraftⅢ」というゲームのカスタムマップだった「Dota」、およびその続編である「Dota2」から来ています。
DotaにおいてNPCの敵は「クリープ」と呼ばれており、中立モンスターも「中立クリープ」と呼ばれるため、MOBAにおけるNPCの呼び方が「クリープ」として広まったのです。
Dota2はMOBAにおける初代ビッグタイトルであり、LoL初期の多くのプレイヤーはDota2から流れて来たので、その時からの名残りでCSという呼び方が15年以上経った今でも定着しています。
また、プレイヤー的に「ミニオンスコア」と称したいところが、ミニオン以外の中立モンスターやワードでも溜まっていくスコアであるため、ミニオンスコアとは呼びづらかったという背景もありそうです。
※LoL公式の言葉遣いにおいては、「クリープ」というは表現は使われておらず、「ミニオン」「中立モンスター」などの呼称で表記されています。
Dota2では「CS」とは言わない
ちなみに、Dota2では、CSのことを「LH(ラストヒット)」と呼び、「CS」とはあまり言わないらしいです。Dota2由来の代表的なMOBA用語ではあるのに、Dota2用語ではない不思議…。
ラストヒット(LH)とは?

CSをとる際に、最も重要なのが「ラストヒット(LH)」です。ラストヒットとは、文字通り最後のダメージを与えること=トドメを刺すことを意味します。
前述したとおり、主にはミニオンからとることになるCSですが、ミニオンのCSを獲得する際には、ワードや中立モンスターのCS獲得とは違い、自分で意識してラストヒットを狙う必要があるのです。
JGモンスター等と明確に違うポイントは、CS・ラストヒットをとる意識をしないと、味方ミニオンや味方タワーが敵ミニオンを倒してしまう、という点です。
ミニオンのHPバーをしっかり確認し、体力がミリになった瞬間にタイミングよくAAやスキルを打つことで、ラストヒット=CSをとることができます。(試しに、何も考えずに適当にAAやスキルを制限なく打ち続けてみてください。ミニオンはタワーや自陣ミニオンに倒され、CSは半分も取れないでしょう)
とにかくラストヒットは重要!
LoLにおいて、「ゴールドを稼ぐ力」は非常に重要です。敵よりもどれだけ多くのお金を持っているか、いかに経験値をより多く稼ぐかが、ゲームの勝敗を分けます。
LoL初めてすぐのうちは、マクロやゲーム理解において上級プレイヤーには全く追いつけません。そこで大差がついてしまうのは仕方がなく、ゲーム知識において他プレイヤーと差をつけられることは非常に少ないです。
だからこそできることが少ない初心者にとっては、最も手っ取り早く重要であるCS、ラストヒットを意識することが大切なのです。
さらに、CSは世界的なLoLのプロ選手になればなるほど比較され、重視されるポイントでもあります。CSをとる力=ラストヒットは、LoLにおける本当に基礎中の基礎でありながら、最重要なポイントといえるでしょう。
1CS、ラストヒットの価値、ゴールド平均値
さて、ここからが本題。1CSの価値、ゴールド平均値を計算してみましょう。一般的には、15CS=1キル分と言われていますが、厳密にはどうなのでしょうか?
ミニオンウェーブの基本情報

まず基本情報として、通常ウェーブでは前衛ミニオンと後衛ミニオンが各3体ずつ、キャノンウェーブではは前衛ミニオンと後衛ミニオン各3体に加え、キャノンミニオンが加わります。
1:05以降、30秒ごとにミニオンウェーブは召喚され、2:35の4ウェーブ目に初キャノンウェーブが出現して以降は、3ウェーブに一回(90秒に一回)は砲台ミニオンのいるキャノンウェーブになります。
試合が進むにつれキャノンミニオンの出現頻度は増え、14:35以降のウェーブは2ウェーブに一回、24:35以降は毎ウェーブがキャノンウェーブとなります。
インヒビター破壊後にはキャノンミニオンは出現しなくなり、代わりに毎ウェーブでスーパーミニオンが出現するようになります。敵のすべてのインヒビターを破壊した場合には、すべてのレーンで毎ウェーブごとに2体ずつのスーパーミニオンが出現します。
ミニオンの種類と各ミニオンのゴールド獲得値
ミニオンは全4種類いて、それぞれ獲得ゴールドと獲得経験値に差があります。
前衛ミニオン

前衛ミニオン(メレーミニオン)からは、21ゴールドと60.45xpを獲得できます。
後衛ミニオン

後衛ミニオン(レンジミニオン)からは、14ゴールドと29.76xpを獲得できます。
キャノンミニオン(砲台ミニオン)

キャノンミニオン(砲台ミニオン、シージミニオン)からは、63ゴールドと93xpを獲得できます。
ただし、試合時間経過ごとに上限90ゴールドまで、90秒ごとに獲得ゴールド値が3ゴールドずつ増加していきます。2:35に初出現したタイミングでは63ゴールドですが、16:35に出現するキャノンミニオンでは90ゴールドとなります。
(※LoLJPWikiのミニオン概要ページでは数値と説明に誤りがあるので要注意)
スーパーミニオン

スーパーミニオンからは、63ゴールドと97xpを獲得できます。
スーパーミニオンも砲台ミニオンと同様に、試合時間経過ごとに獲得ゴールド値が3ゴールドずつ増加していきます。(※常に他レーンのキャノンミニオンと同じゴールド値となる)
実際にCSのゴールド値を計算してみる
このように、時間経過とともに各ウェーブのゴールド値は変化していきます。ウェーブとCSごとのゴールド合計値表を作ってみます。
25分のバロン出現以降に決定的な集団戦やマクロトレードが行われる場面が多いため、25:00時点までのミニオンウェーブに対して計算することにします。
また、25分までにインヒビターを破壊していることもありますが、3インヒビターでない限りはスーパーミニオンとキャノンミニオンのウェーブ獲得ゴールドは同じであり、25分段階で3インヒビターはあまり想定する必要がないため、スーパーミニオンについては度外視します。
試合時間 | ウェーブの種類 | CS数 | ゴールド合計値 |
1:05 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
1:35 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
2:05 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
2:35 | キャノンウェーブ | 7 | 168 ゴールド |
3:05 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
3:35 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
4:05 | キャノンウェーブ | 7 | 171 ゴールド |
4:35 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
5:05 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
5:35 | キャノンウェーブ | 7 | 174 ゴールド |
6:05 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
6:35 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
7:05 | キャノンウェーブ | 7 | 177 ゴールド |
7:35 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
8:05 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
8:35 | キャノンウェーブ | 7 | 180 ゴールド |
9:05 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
9:35 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
10:05 | キャノンウェーブ | 7 | 183 ゴールド |
10:35 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
11:05 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
11:35 | キャノンウェーブ | 7 | 186 ゴールド |
12:05 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
12:35 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
13:05 | キャノンウェーブ | 7 | 189 ゴールド |
13:35 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
14:05 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
14:35 | キャノンウェーブ | 7 | 192 ゴールド |
15:05 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
15:35 | キャノンウェーブ | 7 | 192 ゴールド |
16:05 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
16:35 | キャノンウェーブ | 7 | 195 ゴールド |
17:05 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
17:35 | キャノンウェーブ | 7 | 195 ゴールド |
18:05 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
18:35 | キャノンウェーブ | 7 | 195 ゴールド |
19:05 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
19:35 | キャノンウェーブ | 7 | 195 ゴールド |
20:05 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
20:35 | キャノンウェーブ | 7 | 195 ゴールド |
21:05 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
21:35 | キャノンウェーブ | 7 | 195 ゴールド |
22:05 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
22:35 | キャノンウェーブ | 7 | 195 ゴールド |
23:05 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
23:35 | キャノンウェーブ | 7 | 195 ゴールド |
24:05 | 通常ウェーブ | 6 | 105 ゴールド |
24:35 | キャノンウェーブ | 7 | 195 ゴールド |
合計値 | – | 307 | 6612 ゴールド |
1CS、ラストヒットのゴールド平均値、キル換算値
試合時間25分までの1レーンのCSを全て取れた場合、理論値では 307CS で 6612ゴールド になるようです。
これを平均すると、1CS=約21.5ゴールド。
1キル300ゴールドとすると、13.95CS相当。14CS=1キル分と言えます。
ちなみに、試合時間14分までのCSで計算した場合は1CS=約20.2ゴールド、15CS=1キル分と言えます。レーン戦においては、15CS=1キル分という計算で問題なさそうです。
(1キルのゴールド換算値は厳密には、300ゴールド、キル経験値のゴールド換算値分、敵のミニオンゴールド&経験値ロスト分などを計算に入れると300ゴールド以上に重みがありますが、めんどくさいので一旦度外視します)
キャノンミニオンは超重要
表にある通り、キャノンミニオンをとるととらないとでゴールド値が全くもって違います。キャノンを5つ落としたらそれだけで300ゴールド以上=1キル分です。
仮に、25分までにキャノンを一つもとらずにCSを170CSとったとすると(シルバーのレーナー平均CS数が約170CS)、均して2975ゴールドしか獲得できません。
しかし、もし25分までのキャノン19体を全て取ったうえで170CSだった場合には、4214ゴールド相当。同じ170CSでも約1200ゴールド=4キル分以上のゴールド差が生じます。
15CS=1キルの意識を持って細かいCS差を大切にするのはとても良い事ですが、それよりも、25分までに1レーンで19体しか獲得できないキャノンミニオンをとにかく正確にとることのほうが重要なのかもしれません…。
まとめ
以上、League of Legends の 1CS、ラストヒットのゴールド平均値とキル換算値 に関するまとめでした!